齊藤 孝祐


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所属
研究推進機構 特任教員(講師)
相談対応分野
国際関係 / 安全保障 / 公共政策 / 科学技術と社会 / イノベーション / 防衛産業 / 装備調達 / デュアルユース技術 / 武器・技術移転 / 武力行使 / NIMBY(主に基地問題) / 日米関係
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イノベーションと安全保障
科学技術は人類社会の発展に寄与してきた一方、それ自体が過去にはなかった新たな課題をもたらしてきました。近年では安全保障の分野でも、多くの国でドローンやAI、サイバー、宇宙開発、3Dプリンターのような先進製造といった新たな技術が追求されています。こうした動きは技術の開発・移転をめぐる規制作りや、安全保障の「ドメイン」拡大(宇宙やサイバー、極地への広がり)への対応、既存の法規範の再解釈といった問題を提起しつつあります。また、産業・知識のグローバルな拡散やデュアルユース技術の発展など、イノベーションの構造そのものの変化も安全保障環境に大きな影響を与える現象として注目を集めています。こうした中、国家や市民の安全、さらに国際秩序の安定という観点からいかに知識の管理を進めていくかということが重要な課題の一つとなっていますが、そこには同時にさまざまな主体の利害や規範が絡み合うようになり、国内外での合意形成がうまくいかないケースも見られます。また、安全保障の文脈で必要と考えられる政策が、産業や学術の観点からも妥当であるとは限らず(その逆もありえます)、そこに「公共の利益」をめぐるプライオリティの問題が発現することも重要な論点です。こうした多様化・多層化する利害関係を政治学の観点から捉えなおしていくことで、現代のイノベーションがもたらす影響をさまざまな角度から理解することができればと考えています。