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研究拠点の目的

本拠点の研究目的は、「社会科学研究者と自然科学研究者が協力して、社会価値を実現するイノベーションのダイナミズムを研究すること」です。

大学・企業の研究所・公的研究機関、及びそれらの連携によって、多くの優れた先端的な技術が生まれています。しかし、優れた技術であることは、社会に広く普及・浸透することの十分条件ではありません。社会的に普及するためには、潜在的ユーザーへの売り込み、顕在化したユーザーとの関係性構築、技術のフォローアップ(アフターサービス)体制、特許の管理、国内外標準化への取り組みといった、技術の研究開発そのもの以外のマネジメントが必要になります。

本研究拠点では、以上のような視角に立脚し、経営学を中心とする社会科学者と、実際に技術を開発している自然科学研究者が一体となって、大学で研究開発されている技術の社会への普及ダイナミズムを明らかにしていきます。

研究拠点長 鶴見祐之

(拠点認定期間: 平成29年5月18日~平成32年3月31日)

研究目的

活動内容

文理連携による社会価値実現プロセス研究拠点 では、学内の自然科学系研究者と社会科学系研究者の有志で、文理融合の研究交流を試みてきました。社会科学系・自然科学系それぞれの蓄積してきた知見を統合し、創発的に新たな知識を生み出すことを目指しています。

最近の活動
科研費基盤研究(B) オープン技術のガバナンスの研究:協調的標準化に関わる技術のコントロールの実証分析
研究期間:研究期間: 2019年04⽉ - 2023年03⽉ 代表:安本雅典
科研費挑戦的研究(萌芽) 技術のコア-周縁のスピルオーバーによる企業の能⼒構築についての研究
研究期間: 2019年04⽉ - 2022年03⽉ 代表:安本雅典
内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/自動運転(システムとサービスの拡張) 知財戦略の構築に向けた立案に関する調査
研究期間: 2020年6月 - 2021年2月


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先端的研究が今後広く社会に浸透していくために必要な価値とはなにか?

「社会価値実現」研究教育グループ では、目標となるような将来の社会ビジョンを想定し、それを実現するために現在何を行っていくべきかを考える、バックキャスティング思考に基づいて研究を進めています。

そこでは、社会科学と工学が連携して、イノベーション普及戦略、多価値解析、国際標準化、周辺技術の発展予測といった様々な側面から未来予測を行います。その上で、将来の社会にあるべき最終製品イメージを想定。横浜国立大学の先端的研究(自己治癒材料研究、サイバーセキュリティー研究、3Dプリンター研究、再生医療材料研究)によるコア新技術を活かした製品開発研究につなげていきます。このような「社会価値実現」のため、文理融合型の研究体制の構築を目指しています。

また、学内研究体制のみならず、研究開発プロジェクトにおける産学官連携や、世界の大学や研究所との国際共同研究体制整備などの試みを行っていきます。

これまでに、YNUコロキウムとともに、社会科学系、工学系の研究者および院生が協同し、合同ゼミを行うなど、活発な交流を行っています。



YNUコロキウムは、現在・将来の社会システムやそこで必要なイノベーションについて、文系・理系の若手教員が分野横断的な議論を深めていくための研究会です。

現在の学術的・社会的諸課題に関して、各分野の研究動向や方法論を相互理解するとともに、新たなアイディアやアプローチの創出に資する分野横断的なネットワークを構築することを目指します。

議論のテーマとして、昨今の学術的・社会的問題にかかわるキーワードのほか、本学で提案しているプロジェクトや政府政策上の重点項目などもとりあげていきます。

2014年4月より、計14回開催されています(2017年10月末現在)。

─これまでのテーマ─
Regulatory Scienceとは何か
YNUのグローバル戦略とは
大学における新しい若手研究者像
YNU中長期ビジョンをどう考えるか
“標準化”とその重要性~ビジネス戦略と標準化~
“本気の産学連携”を作るにはどうすればいいか
アクティブラーニングによる社工連携教育
横浜国立大学の研究戦略
横浜市のオープンデータ/オープンイノベーションと地域創生
文理協働教育『研究報告会』
最先端外科手術を創成する医工学エンジニアの目に映る外科手術現場の実際
超小型宇宙推進系の狙い ~NewSpaceからCisLunarまで~
物質・材料研究機構における標準化活動と変革
「文理協働研究教育シンポジウム」


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本グループでは、文系学生と理系学生の交流を通じて、相互理解を深め、各々が大きく成長する機会を提供しています。

─これまでの活動例─
2017年3月23日 文理協働教育「研究報告会」
卒業研究を含め、文理の学生が自身の研究報告を行い、研究分野を越えて活発な議論を行いました。経営学部からは大沼ゼミ1名、鶴見ゼミ2名、真鍋ゼミ1名、理工学部からは中尾研1名、工学府からは尾崎研1名、鷹尾研1名が報告しました。また、今回の特徴として、上記に加えて文理連携による研究成果の報告も3件(理工学部福田研×経営学部大沼ゼミ、都市イノベーション学府田中研×国際社会科学研究院、経営学部真鍋ゼミ×理工学部丸尾研)ありました。
2015年10月2日 社工合同卒論中間報告会
中尾研究室の学部生が、自己治癒材料に関する卒業研究の報告を行いました。経営学部の学部生からも多くの質問が出て、活発な議論になりました。
2016年3月22日 社工合同卒論発表会
発表会のはじめに、長谷部学長から文理融合研究教育の意義について、イノベーションの視点からお話がありました。続けて、経営学部鶴見ゼミから2名、真鍋ゼミ1名、理工学部中尾研究室から2名、尾崎研究室2名、福田研究室1名が各々の卒業研究について発表しました。それぞれの研究発表後には、文理交えて質疑応答が行われました。

社会科学と自然科学の協働による課題解決──先端的研究が今後広く社会に浸透していくために必要な価値について、社会科学系と自然科学系を横断し、実践的に検討します
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